カラダを創る自然の恵み / β-クリプトキサンチン

万能アンチエイジング素材「β-クリプトキサンチン」

冬になったら、こたつで「みかん」。そんな昔ながらのみかんが万能のアンチエイジング食品だったって、知ってました?さらに一緒に食べると効果倍増なのが…。
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β-クリプトキサンチン メインイメージ みかん

β-クリプトキサンチンによる嬉しい機能とは?

体脂肪の低減作用・ダイエット作用

β-クリプトキサンチンをある一定期間継続摂取した際に、摂取していないグループと比較して内臓脂肪面積、皮下脂肪面積、全脂肪面積が減少されました。脂肪面積の減少に伴って、体重、ウエスト、BMIについても改善がみられています。

被験飲料摂取男性の腹部CTスキャン撮影像 脂肪面積の推移

美肌効果

β-クリプトキサンチンは日焼けの基になる成分であるメラニンが体内で作られるのを抑え、肌の白さを保ちます。さらにシミやそばかすを減らす効果や、インスリンの働きを正常化し、にきびの発症を抑えることも報告されています。β-クリプトキサンチンの美肌効果は3つの異なる作用によりもたらされています。

効果その1 美白効果

肌を黒くする成分であるメラニンを作るにはチロシナーゼが必要です。β-クリプトキサンチンは、このチロシナーゼの働きを阻害することで、ので、メラニンが増えるのを抑え美白効果をもたらします。

β-クリプトキサンチンによるメラニン合成抑制

β-クリプトキサンチン以外のカロテノイドにも美白効果があることが知られていますが、β-カロテン、アスタキサンチン、ビタミンCと比較しても、β-クリプトキサンチンが最もメラニンの産生抑制に効果があります。

効果その2 シミ・しわ・たるみ・そばかすを改善

太陽光の紫外線は、その波長によりUV-A(315~400nm)、UV-B(280~315nm)、UV-C(100~280nm)に分けられます。UV-Aが皮膚の奥深く真皮にまで侵入し、コラーゲンやエラスチンなどの線維を壊すことで、しわ・たるみの原因となっています。

β-クリプトキサンチンを食べることで、血中のβ-クリプトキサンチンがUV-Aによる皮膚の損傷を修復し、しわやたるみを防止します。またUV-Bにより発生したシミを消去するとともに、肌荒れを改善し肌にうるおいを与えます

酵素処理うんしゅうみかんによるシミ消去作用

効果その3 にきびの予防

皮脂が過剰に分泌されたり、分泌が低下することは、にきびや乾燥肌といった皮膚の悩みを引き起こします。糖尿病に関与するインスリンは、肌にも大きな影響を及ぼしています。実はインスリンには皮脂を作り、溜める働きがあり、ニキビの発症・悪化に関連しています。

β-クリプトキサンチンにはインスリンの働きを正常化して、メタボの発症を防ぐという効果があることを先程ご紹介しましたが、同様にインスリンを正常に働かせることで、皮脂の過剰分泌を抑え、ニキビの発生を予防します。ニキビの対処方法としては、塗る薬が多いですが、β-クリプトキサンチンを食べることで長時間持続的に予防することができます。

β-クリプトキサンチンは、食べる化粧品としての役割を期待することができます。

骨の維持

骨は堅いので、作られたらそのままと思いがちですが、実は毎日骨は壊されて、そして新たに生み出されており、1年に2~3割の骨が入れ替わっています。これを骨代謝と呼びますが、更年期に差し掛かり、女性ホルモンバランスが減少すると、この骨代謝のバランスも崩れやすくなることがわかっています。強い骨を維持するためには、単にカルシウムを多くとるだけでは不十分で、骨代謝を高める素材を積極的に食べることが望ましいとされています。

β-クリプトキサンチンは骨を壊す細胞を減らすとともに、骨を作ることに役立ち骨密度を高めます。さらに骨の量自体を増やし内部構造を改善させることで、骨を強くすると報告されています。

また同様に骨の維持に効果がある、副甲状腺ホルモンやイソフラボン、ビタミンK2、亜鉛と比較しても、β-クリプトキサンチンの骨を作る効果はより高く、プロスタグランジンE2のような骨を溶かす作用を防ぐ効果があります。

プロポーションの維持(体型維持)

β-クリプトキサンチンには、内臓脂肪の蓄積を妨ぎ、体重・腹囲・中性脂肪が増えるのを抑える働きが報告されています。

皆さんはアディポネクチンというホルモンの存在をご存知でしょうか?

アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンであり、全身の炎症を抑え、脂肪の燃焼や血糖値の低下に作用する健康長寿に欠かせない成分です。β-クリプトキサンチンはこのアディポネクチンの分泌を増加させ、肝臓における脂肪の代謝・排出・筋肉への取り込み・消費を増やすことにより、体脂肪を減らします。

インスリンが正常に働かなくなることで、糖尿病は発症しますが、アディポネクチンが細胞内に増加するとインスリンの機能が正常化し、血糖値の低下および糖の分解機能が改善することが知られています。

β-クリプトキサンチンを継続的に摂取することで、アディポネクチンを増やし、糖尿病やメタボを予防するとともに、太りにくい体質を目指しましょう。

普段はとっても、お世話になっているんだけど、名前を知らない。そんな存在。

ニンジンやホウレン草、トマトやカボチャの色が鮮やかなのは、色を付けている色素成分「カロテノイド」を含んでいるためです。そのカロテノイドはなんと全600種類!

なるほど。600種類もあるので、自然界はこんなに色鮮やかで、美しいのですね。

さてこのうち、私達が食事から摂ることができるカロテノイドは50~60種類あり、中でも体内の様々な組織に取り込まれ、役に立っているカロテノイドの主役級が6種類あります。

  • ・ニンジンやカボチャに含まれるα-カロテン
  • ・同じくニンジンやカボチャ、ホウレン草、さつま芋などに含まれるβ-カロテン
  • ・ブロッコリーやトウモロコシ、卵黄にも含まれるルテイン
  • ・パプリカやトウモロコシ、ホウレン草やレバーに含まれるゼアキサンチン
  • ・トマト、柿、スイカ、グレープフルーツに含まれるリコペン

そして、今回の主役である「β-クリプトキサンチン」です。

緑黄色野菜

ここでは、生活習慣病に関連した改善が報告されている他、運動疲労低減、歯周病予防、美白・美容、内臓脂肪低減(メタボ予防)などの効果もあるといわれる万能のアンチエイジング素材、β-クリプトキサンチンをご紹介します。

β-クリプトキサンチンを補うためには

β-クリプトキサンチンが含まれる食品って?

β-クリプトキサンチンが含まれる食品

動物はβ-クリプトキサンチンをはじめとしたカロテノイドを体内で作ることができないため、食事から摂取するしかありません。

では、β-クリプトキサンチンはどんな食品に含まれているのでしょう?

生産量と食べ慣れているという点から、みかんが最も有名です。その他、とうがらし、ぽんかん、柿、びわ、パパイヤ、赤ピーマンなどにも含まれています。

同じ柑橘類であるバレンシアオレンジにも多く含まれるかと思いきや、オレンジの含有量は、みかんの含有量の十分の一以下であり、ほとんど含まれていません。ですので、みかんをたくさん食べる(特に冬)唯一の民族である日本人のβ-クリプトキサンチンの血中濃度は、世界中でも特別に高いことが知られており、日本人の「美と健康」を解き明かす秘密の一つであると考えられます。この報告を受け、最近は欧米でもβ-クリプトキサンチンの人気が高まっているそうです。

日本人および米国人の血中カロテノイド濃度

医学専門家の先生に聞いてみよう

私達は体内でカロテノイドを作れないため、植物などが作ったものを食べるしかないということは既にお伝えしました。

  • 女性
  • 橋弥先生

みかんをいっぱい食べればいいってこと?

  • 大体何個ぐらいみかんを食べれば効果があるんですか??
  • どんな効果を期待するかによっても量が変わりますが、美容や骨の維持に対する効果を期待するためには、1日約7個のみかんを食べる必要があります。
  • 1日7個!!? そんなに食べれないですよ!
  • β-クリプトキサンチンはヨーグルトなどの乳製品とともに食べると約2倍吸収効率が高まることがわかっています。
  • ヨーグルトの中にみかんの缶詰を入れて食べるのは、栄養効率もいいってことね。じゃあ明日のお弁当のデザートはみかんに決まりね。
  • 同じ個数のみかんを食べても、若い人より高齢者、男性より女性でβ-クリプトキサンチンの吸収率が高くなる傾向があります。逆に飲酒・喫煙習慣がある方や肥満気味の方は吸収率が悪くなると言われていますので、積極的に摂取する必要があります。
  • なるほど、タバコを控え目にするよう言って、毎日お弁当にみかんをつけようかな?
  • みかんがお好きな人であれば冬場は足りていると思われますが、夏にみかんを食べることは少ないので、サプリメントを活用するのもお勧めです。
  • なるほど、みかんじゃなくて、サプリメントにしてもらおう!
    夏は、みかんは手に入らないものね。

まとめ

その他、β-クリプトキサンチンには、抗酸化作用、疲労回復効果、歯周病予防、関節炎予防、ロコモティブシンドローム予防などの効果が報告されており、アンチエイジングに関わる様々な予防効果があります。

こんな身近に万能ともいえるアンチエイジング素材が存在したことに驚きますね。古来より日本人が美しく健康であり続けられたのは、うんしゅうみかんを日常的に食べる習慣があったからかもしれません。

さらにβ-クリプトキサンチンはヨーグルトなどの乳製品と一緒に食べることで、吸収率が高まります。冬はウォーキングした後に、暖かいこたつに潜り、ヨーグルトにみかんを乗せて食べるのが、新しい美と健康法です。

この記事の監修者

会員制人間ドック「カルナ・メドサロン」橋弥 尚孝院長
会員制人間ドック「カルナ・メドサロン」橋弥 尚孝院長
  • ・大阪大学医学部卒業
  • ・大阪大学 特任准教授
  • ・日本抗加齢医学会 評議員
  • ・脳心血管抗加齢研究会 評議員

参考文献

  • M.Yamaguchi, rt al.: Mol. Cell. Biochem., 258, 134-144 (2004)