カラダを創る自然の恵み / エクオール

持ってると、とっても安心「エクオール」

更年期症状に悩む女性にとって、メジャー級の活躍をする最注目成分「エクオール」。ただし、貴女の体内で作られる確率はわずか40%。果たして貴女はどっち?
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エクオール メインイメージ 大豆

女性の味方と言えば、イソフラボンですが

エクオールっていう成分について聞いたことがありますか?
エクオールを理解するためには、まずはイソフラボンを知らなければなりません。エクオールのストーリーは、イソフラボンから始まります。古くからみなさんに親しまれているイソフラボンの効果からご紹介しましょう。

イソフラボンは、研究が始まってから30年とまだ歴史が浅いですが、女性ホルモンのエストロゲンに似た作用があることから、肌の新陳代謝や、髪の毛のハリやツヤ、骨量減少の改善など女性の美しさや若々しさをサポートしてくれます。また、女性ホルモンは加齢とともに減少しますが、特に閉経前後は、急激に減少し、ホルモンバランスが乱れることで、いわゆる更年期症状を引き起こします。女性ホルモンの減少をくいとめることはできませんが、補給することでバランスを保つことができるので、注目が集まっています。

ウォーキングしている50代の女性

イソフラボンは、マメ科の植物に多く含まれますが、その代表格が大豆イソフラボンです。
イソフラボン類を含む食物を摂取することにより、更年期症状の緩和、骨粗鬆症の改善について報告があります。しかし、その効果には個人差があり、全く効かない人もいたため、大豆イソフラボンが更年期症状に効くかどうかは、長らく研究者の間で意見が分かれていました。

トクホ商品が多く発売されており、更年期症状に効く素材として一般的になっている大豆イソフラボンですが、市場にある錠剤型健康食品の中には、1日摂取目安量の30㎎を超えるものもあり、大豆イソフラボンを健康食品から摂取する場合には注意が必要です。

実はエクオールの効果だったのだ

更年期症状にはエストロゲンの減少が関係していることから、エストロゲンと似た作用があるイソフラボンが注目されてきました。しかし最近の研究で、これまでイソフラボンによるものだと思われていた効果が実は、エクオールという成分の効果だったのではないかという「エクオール仮説」が有力視されています。エクオールは、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインから腸内細菌の働きによって作られますが、ダイゼインのままでいるよりも、エクオールに変換されたあとの方がよりエストロゲンに近い働きをするためです。

腸内細菌でエクオールに変換される図

エクオールへの変換には個人差がある

「大豆イソフラボンによる効果には個人差があり、全然効かない人もいる。」
この謎の鍵はエクオールにありました。

イソフラボンの効き目がないのではなく、イソフラボンの成分ダイゼインをエクオールに変換する能力に個人差があったためだったのです。

ダイゼインは腸内細菌により、エクオールに変換されますが、人によってはこの変換できる腸内細菌自体がいない場合や、いても働きが弱い場合があることがわかったのです。エクオールに変換できる能力は「エクオール産生能」と呼ばれますが、このエクオール産生能は、なんと日本人で50~60%の人しか持っていません。欧米人ではこの確率がさらに下がり、20~30%ほどと言われ、食生活の欧米化が進んでいる若い日本人女性も同様に、20〜30%しかエクオール産生能を20~30%しか持っていないと報告されています。

エクオール産生能は、いくつかの食物因子(食物繊椎,大豆,海藻など)の食経験が関与しているとされています。日本・中国・台湾などの大豆の食習慣がある地域ではエクオール産生者が約50%いますが、その他の欧米やオーストラリアでは約30%に留まると言われています。

アジア・欧米・オーストラリアにおけるエクオール産生者の割合

若年層のエクオール産生能低下は、食生活の変化によるものであると考えられていますが、まだ解明が進んでいない状況です。

一方エクオール産生者においても、エクオール産生能には個人差があり、日によっても変動があることが知られており、常に一定に維持することは困難であると考えられています。

女性が並んでる図

エクオールの効能

エクオールには、更年期症状や骨密度低下の改善などに対する効果があることが報告されています。

元気なミドル女性

「ほてり」を始めとした更年期症状を改善

健康な更年期の女性へのイソフラボンを活用した試験では、エクオール産生者ホットフラッシュ(ほてり)や過剰な発汗などの更年期症状の改善があったという報告があります。また、更年期症状の女性を対象にした調査により、更年期症状の重い人のほうが、軽い人に比べ、尿中に含まれるエクオールが少ないことが報告されていることから、症状の重い人のグループにエクオール産生能が低いことを示していると考えられます。

骨密度の改善

エクオール産生者は、非産生者に比べて閉経後の骨量減少が改善したという報告がされています。

体脂肪増加の抑制

エクオール産生者における体脂肪増加が非産生者に比べ抑制されたとの報告もされています。

エクオール産生能をチェックしよう

  1. 更年期症状が重い
  2. 今までのサプリメントは効かなかった
  3. 大豆食品をあまり食べない
  4. 野菜もキライ!

これまで更年期症状が人より重いと感じていた方は、もしかすると症状が重いのではなく、エクオール産生能がないために食品からエクオールを作ることが出来ず、ホルモンバランスの変化の影響を緩和させることができなかったためかもしれません。

一緒に食べればエクオール産生能アップ

個人差や日内変動が大きいエクオール産生能。そうなると、ぜひエクオール産生能を効果的に働かせる方法を知っておきたいものです。

現在、エクオール産生能に関与する腸内細菌を調べる取り組みが世界中で行われており、オリゴ糖や食物繊維を一緒に摂取することでエクオール産生能をアップすると報告されています。

カスピ海ヨーグルトに含まれる「ラクトビオン酸」という成分にも、エクオール産生能をアップさせる効果が認められるという報告があります。

大豆とヨーグルト

ラットにイソフラボンとラクトビオン酸を同時に与えたところ、イソフラボン単独の場合に比べ、血中のエクオール濃度が上昇したとのことです。

まとめ

更年期症状に悩む方の救世主として注目されるエクオールは、日常の食生活で症状を緩和することができるかもしれません。

ただし、症状が重い方はご自身で判断せずに、婦人科の医師にご相談ください
食品やサプリメントでは即効性に乏しいというデメリットがあります。お医者様と相談し、ホルモン療法などと組み合わせながら、適切な対処方法を選んでください。

エクオールを直接摂取できるようになったのは、つい最近のことであるため、エクオールの研究はまだ始まったばかりです。これからどんどんエクオールの研究が進み、一人でも多くの女性が更年期症状に悩まず、美と健康を追求できることを祈っています。

この記事の監修者

会員制人間ドック「カルナ・メドサロン」橋弥 尚孝院長
会員制人間ドック「カルナ・メドサロン」橋弥 尚孝院長
  • ・大阪大学医学部卒業
  • ・大阪大学 特任准教授
  • ・日本抗加齢医学会 評議員
  • ・脳心血管抗加齢研究会 評議員

参考文献

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